今の時代、バンド計算も多くの場合、VASPやQuantum Espressoといった密度汎関数法による計算をすることになるかと思います。 バンド計算においては、必要なパラメータとして、
汎関数(大体はPBE汎関数が多い模様。必要に応じて、PBE0やHSE06のようなハイブリッド汎関数を使うが計算が重くなる)
擬ポテンシャル(PAWかUltrasoftを使えば大抵の場合いける、他にはノルム保存型などの選択肢がある)
カットオフエネルギー
k点メッシュ
スメアリング(ブロードニング)
を必ず指定する必要があります。
とりあえずこれらの意味が分からない時は、以下の本が良いと思います。

- 作者: D.S.ショール,J.A.ステッケル,佐々木泰造,末原茂
- 出版社/メーカー: 吉岡書店
- 発売日: 2014/12/10
- メディア: 単行本
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この本は、DFTの理論的な詳細には立ち入らず、あくまで使う側に必要な情報の提供に絞られています。 また、VASPやQuantum ESPRESSO, Ab Initなどのサンプルinputファイルが書かれているわけでもないので、 まずはネット上のチュートリアルなどからinputを探してきて、それの意味を一つ一つ理解していくのに使うべきと思います。
ちなみに、この本には、バンド構造(E-k分散図)は触れられていません。バンド構造の理解に関しては、前の記事で紹介した、ホフマンやCoxの本で理解のコツを覚えていくしかないと思っています。 また、バンド構造を計算するには、まずはブリルアンゾーンを指定する必要がありますが、私は
AFLOW.ORG: a distributed materials properties repository from high-throughput ab initio calculation
を使ってそれを指定しています(Kpath in the reciprocal spaceというのを指定して、出てきた結果をvaspの場合はKPOINTSファイルに指定)。