以前の記事でも買いたように、新卒で化学メーカーに入社しておよそ1年半働いた後、某研究機関に転職をしました。 この研究所には学生の頃も3年居たため、いわゆる出戻り転職ということになります。
工場勤務を経て戻ってきてみると、工場での習慣がつい出そうになり、以前いたのと同じ場所にも関わらずそこにいる人の雰囲気や行動が違って見えるものであることに気がつきました。 その点について、書いてみます。
挨拶は24時間いつでも「ご安全に!」
作業現場で働く人の間ではとても有名な挨拶である「ご安全に!」*1
この挨拶は24時間どのタイミングでも時間・状況に関わらず使われます。
化学工場や製鉄所のように24時間ずっと稼働している工場では、始業・終業のタイミングが1日に4回あります。なぜかというと、3交代勤務の人の1直・2直・3直*2それぞれの始業・終業のタイミングと、日勤の人の始業・終業のタイミングがあるためです。挨拶の掛け声は「おはようございます」とか「こんにちは」「こんばんが」など色々ありますが、これら全部ひっくるめて「ご安全に」と言っていました。
そのほか、会議や事業所内での講演の始めや終わりの「よろしくお願いします」「ありがとうございました」みたいな挨拶や、メールの文頭なども全て「ご安全に」と言う文化でした。
なんだかんだ言って慣れるととても便利だし(使い分けを考える必要がないので)、会社問わず現場職の強い妙な一体感があって好きな挨拶です。
職場が変わった今は皆さんそもそも挨拶自体あまりしない。何も言わないのも個人的には少々気持ちが悪いので、「ご安全に!」と言いそうになるのを堪えつつ、「おはようございます!」と言っています。
横断歩道を渡るときは、指差確認
僕がいた工場内は常にタンクローリーやダンプカー、クレーンなどの大型の車両に加え、多数の軽トラやグループ会社の車両が走り回っていました。これらの車両との事故を防ぐため、工場内では横断歩道を渡るときは、常に「右よし、左よし」という指差呼称をしていました。実際に、これを徹底することで場内での労災が減ったそうです。慣れると、会社の外でもやりそうになります(おそらく僕だけではないはず)。信号のある交差点はさておき、車通りの少ない横断歩道などで立ち止まって自然に手が出そうになる。
転職後の現在も、場内の横断歩道で無意識に今も立ち止まって手を出しそうになるものです。
工場は軍隊みたいなところ
よくも悪くも、工場は「軍隊」みたいなところです。自分は初めての職場だったのでそんなものだろうと思っていたのですが、同じ社内でも研究所や本社から異動してきた人は「軍隊みたい」と口を揃えて言います。
高学歴な人やずっと首都圏などで暮らしている人からすると、「そんな前時代的なものはダメ」と思われるかもしれません*3。しかしながら、工場は非常に多くの人の手によって動いていて、もし爆発などの事故が起こってしまったときは誰かの指揮の下で動くより他ないのが実際のところです。議論なんてしている暇はありません。以上の(独自の?)習慣は、結局このためにあるのだと考えています。
今後当面は、新しい職場とのギャップを面白がりながら過ごしていきたいと思います。